行政書士の登録申請の流れ

行政書士試験に合格して、実際に行政書士として仕事をするためには、行政書士会への登録が必要となります。

行政書士会への登録申請までの流れを説明します。

開業場所の決定

行政書士会は各都道府県にあり、開業場所の都道府県の行政書士会に登録申請をすることになります。

なので、初めに開業場所を決める必要があります。新しく事務所を借りても良いですが、最初は自宅で開業して、ある程度収入が見込めるようになったら、事務所を借りる方が多いようです。

備品の購入、準備

開業場所が決まったら、必要な備品を揃えます。

  • 事務作業用の机、椅子
  • パソコン
  • プリンタ、スキャナ(複合機)
  • 電話、(FAX)
  • 金庫
  • 来客用のテーブル、椅子
  • 収納棚

各都道府県によって、多少必要な備品は変わってきますが、基本的には同じです。

必要な公的書類の取得

登録申請に必要な公的書類を集めます。

必要な公的書類は次のとおりです。

  • 住民票(本籍・世帯主名の記載があるもの)
  • 身分証明書(破産手続き開始の決定を受けていて復権を得ない者に該当しない証明)
  • 建物の登記簿謄本(発行3か月以内のもの)

住民票は住んでいる市町村の役所、身分証明書は本籍地の市町村の役所、登記簿謄本は法務局で取得することができます。

事務所名の決定

行政書士事務所の事務所名を決めます。フルネームを事務所名にしている方も多いですが、自分で決めることもできます。

いくつか注意点があるので、確認してください。

  • 同一名称の使用禁止(事務所の同一区域内で同じ事務所名を使用することはできません。)
  • 「法律」という文言は使用不可
  • 他資格と誤解される恐れがある文言は使用不可(例:司法、税務)
  • 国または地方公共団体の期間と誤解される文言は使用不可(例:公共、公益)
  • 行政書士の品位を害する名称
  • 他者の氏名の使用不可

詳細については、行政書士会のホームページをご確認ください。

同一名称の事務所があるかないかは行政書士会に問い合わせてみると良いでしょう。

申請書類の作成

申請書類を作成していきます。

登録する都道府県の行政書士会ホームページより、新規登録申請に必要な書類を印刷し、記入します。

例として千葉県行政書士会では次の書類が必要です。

  • 行政書士登録申請書(ホームページより印刷)
  • 履歴書(ホームページより印刷)
  • 誓約書(ホームページより印刷)
  • 使用承諾書(事務所建物が共同所有や他人の所有の場合)(ホームページより印刷)
  • 賃貸借契約書(事務所を賃貸する場合)
  • 行政書士試験の合格証
  • 顔写真(3cm×2.5cm)6枚
  • 最寄り駅やバス停から事務所までの経路(グーグルマップの経路を印刷でOK)
  • 事務所内部の間取り図(事務所内の備品の設置場所がわかるようにEXCELなどで作成する)
  • 事務所の写真(事務所の外観、行政書士の表札の設置場所、事務所内部の計3枚)

記入例についても各行政書士会ホームページにあります。記入例を見ながら書いていけば間違いないと思います。

行政書士試験の合格証は、行政試験の合格発表があってから10日前後で送られてきます。

申請費用の確認

行政書士登録申請をするには約35万円ほどの申請費用が必要となります。

これも都道府県によって異なってきますので、各都道府県の行政書士会ホームページで確認してください。

費用の内訳例は次のとおりです。

  • 登録免許税(収入印紙) 30,000円
  • 登録申請手数料 25,000円
  • 入会金 250,000円
  • 会費(1年分) 54,000円
  • バッジ代 3,000円

上記の場合、合計362,000円となります。

現金でのみ支払い可能なところが多く、クレジットカード払いや銀行引き落としはできません。

ですので、事前に費用の確保が必要です。

登録申請の予約

備品も揃い、書類も揃い、申請費用も準備できたら、都道府県の行政書士会に登録申請の予約をします。

登録申請は、行政書士会の事務所で行います。事前予約制となっているので、必ず予約の連絡をしてください。

登録申請

予約した日に行政書士会で登録申請を行います。1時間程度で終了します。

書類を確認してもらい、不備があれば修正します。

登録費用を支払います。収入印紙30,000円分を事前に準備しておいてください。

支部長面談

登録申請が終わると支部長面談となりますので、支部長と面談日を決め、開業する事務所で面談を行います。

支部長面談では行政書士の表札の場所の確認や事務所内の確認をしていきます。

このときにわからないことや聞きたいことをあらかじめまとめておいて、支部長に確認すると良いと思います。

行政書士を開業すると言っても右も左もわからない方が多いと思います。ですので、この面談の機会が絶好のチャンスです。支部長もそれをわかっているので、色々なことを教えてくれます。

入会手続き・登録授与式

支部長面談を終えると1か月から2か月で登録完了となり、入会手続き(登録授与式)の案内が届きます。

登録授与式で登録証などをもらい、行政書士として開業することができます。

行政書士に登録申請してから、登録証がもらえるまでには約2か月程度かかるので、その間にホームページや名刺の作成など、開業準備をしておくと良いでしょう。

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