行政書士法人について

行政書士の仕事が軌道にのって、収入が増えてきたら法人化を検討する方も多いのではないでしょうか。

今回は行政書士法人についてご紹介します。

行政書士法人とは

行政書士法人は、行政書士の業務を行うことを目的として行政書士が設立した法人を言います

法務局で登記手続をすることによって、行政書士法人を設立することができます。

行政書士法人は一般的な株式会社とは違って合名会社に準じたものとなっています。

合名会社の特色はつぎのとおりです。

  • 無限責任社員のみによって構成される
  • 社員の全員が、会社債務につき会社債権者に対して連帯して直接無限の責任を負う
  • 各社員が会社の業務を執行し、会社を代表する権限を有する
  • 社員の出資としては、物的会社と異なり、財産出資のほか、労務出資や信用出資が認められる

資本的結合より人的結合の面が強く現れ、社員の個性が強く反映する「人的会社」の典型とされて
います。

また、以前は2人以上でないと法人化することはできませんでしたが、2021年6月4日から1名でも法人化することが可能となりました。

なので、現在では一人行政書士法人の設立も可能となっています。

行政書士法人の設立方法

では実際に行政書士法人を設立するにはどのようにすれば良いでしょうか。

行政書士設立の流れはつぎのとおりです。

  1. 社員資格証明書の取得
  2. 同一名称の法人がないかの確認
  3. 定款の作成
  4. 定款の認証
  5. 設立の登記
  6. 成立の届け出

それぞれについて具体的にみてきます。

社員資格証明書の取得

行政書士法人の社員としての要件を満たすことを証明する書面が必要となります。

所定の手数料を添えて、所属する行政書士会を経由して日本行政書士会連合会(日行連)に証
明の申請をすることで取得することができます。

同一名称の法人がないかの確認

同一の所在場所における同一の商号の登記の禁止が定められているため、日行連のホームページに掲載された、行政書士法人の名称を確認すること同一の名称がないことを確認する必要があります。

行政書士法人は、その名称中に「行政書士法人」という文字を使用しなければなりません。

「○○行政書士法人」や「行政書士法人○○」という名称を事前に考えておきます。

定款の作成

定款は法人の目的や組織、業務執行に関する根本的な規則を定めたものです。

定款の記載事項には、法定記載事項と任意記載事項があり、法定記載事項はさらに絶対的記載事項と相対的記載事項に区分できます。

特に絶対的記載事項についてはその記載がないと定款が無効となります。

定款の認証

定款が作成できたら、公証人による認証を受ける必要があります。

事務所の所在地を管轄する法務局又は地方法務局の所属公証人が行います。

定款は最低3通用意し、原本は公証人役場で保管、行政書士法人にて1通保管、設立登記申請書に1通を添付します。

設立の登記

定款の作成や認証など、必要な手続きが終了した日から事務所の所在地で2週間以内に登記を申請します。

成立の届け出

行政書士が成立したときは、成立の日から2週間以内に「行政書士法人成立届出書」に登記簿の謄
本及び定款の写しを添付し、所定の届出手数料を添えて、事務所の所在地の行政書士会を経由して、日行連に届け出をします。

これで行政書士法人設立の手続きは完了となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は行政書士法人について解説しました。

詳細については日行連ホームページの行政書士法人の設立をご覧ください。

行政書士法人の手引きが記載されています。

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