行政書士法人のメリット・デメリット

前回は行政書士法人の設立についてご紹介しました。

今回は行政書士法人のメリット、デメリットについて解説します。

行政書士法人とは

行政書士法人は、行政書士の業務を行うことを目的として行政書士が設立した法人を言います

法務局で登記手続をすることによって、行政書士法人を設立することができます。

現在は一人でも行政書士法人を設立することができるので、法人化のハードルは下がり、法人化し易くなりました。

行政書士法人のメリット

行政書士法人のメリットはつぎのとおりです。

  • 所得が多いほど税金を抑えることができる
  • さまざまな支出を経費にできる
  • 社会保険に加入することができる
  • 社会的信頼性が高くなる
  • 人材採用が優位になる

それぞれのメリットについて解説します。

所得が多いほど税金を抑えることができる

個人事業主なら、所得に応じて税率が設定されています。

一方法人の場合は、こちらも所得に応じてとはなりますが、だいたい20~30%程度となります

そのため、所得(売上ー経費)が多いほど、法人にした方が支払う税金を抑えることができます。

さまざまな支出を経費にできる

例えば法人にすれば、代表者への給与(役員報酬)は経費にできます。個人事業主は代表者の給与を経費にすることはできません。

他にも社宅家賃や飲食費、車両関係費用、通信費など、個人事業主よりも経費にできる幅が広がり、その分、税金は安くなります。

社会保険に加入することができる

法人の場合は、社会保険に加入することができます。

特に、家族を扶養に入れている場合、同一世帯の家族が増えた場合、国民健康保険は人数で増えるのに対し、健康保険は同じであるため、数万円程度差が出る場合があります。

さらに社会保険に加入すれば、厚生年金となるので、将来もらえる年金額は多くなります。

社会保険料は半分が本人負担、半分が会社負担となり、会社負担分は経費となります。

社会的信頼性が高くなる

法人としての永続性のアピールで信用力が増し、行政書士として中堅企業や大手企業と取引がしやすくなる傾向があります。

他にも様々な専門分野の行政書士を集めることが可能で、幅広い業務に対応できるようになります。

人材採用が優位になる

法人のほうが社会保険の加入などもあり、人材を採用しやすい傾向にあります。

個人事務所の求人と法人の求人では求職者から見た場合のイメージも違うと思います。

行政書士法人のデメリット

法人化のデメリットは法人化することで余計なコストや手間がかかることではないでしょうか。

まず、法人を作るだけで登録免許税など、設立のための初期費用がかかります。

また、法人の場合は法人住民税を納める必要があり、赤字経営でも、毎年都道府県税と市民税を合わせて約7万円程度を納めなければなりません。

他にも法人を運営する経営者としてのスキルも求められたり、さまざまな法人税などに関する書類の作成も必要になってきます。

もちろん、法人税等に関しては税理士に頼むなどして、手間を省くこともできます。

まとめ

今回は行政書士法人のメリット、デメリットについてまとめてみました。

現在、行政書士法人は個人事務所に比べかなり少ないです。

法人化することで信用力が増して業務の幅が広がったり、節税効果があったりとメリットは十分にあります。

行政書士として収入が多いのであれば、法人化を検討してみてはいかがでしょうか。

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