
一般貨物自動車運送事業許可を取得すると、 「これで営業開始できる」と思われる方もいます。
しかし、実際には許可取得後すぐに運送事業を開始できるわけではありません。
許可後には、運輸開始前確認、運行管理者・整備管理者の選任届、社会保険関係、車両登録、 緑ナンバー取得、運輸開始届など、複数の手続きが必要になります。
- 許可書を受け取った後、何から始めればよいのか
- 緑ナンバーはいつ取得するのか
- 運行管理者・整備管理者の届出はいつ必要か
- 運輸開始前確認とは何か
- 許可後どのくらいで営業開始できるのか
この記事では、運送業許可後の手続きについて、 許可取得後から営業開始までに必要な流れを、初めての方にもわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 許可後すぐ営業開始できない理由
- 許可書受領後に確認すべきこと
- 運輸開始前確認で必要になる準備
- 緑ナンバー取得までの流れ
- 許可後に失敗しやすいポイント
許可取得前の流れも確認したい方はこちら
結論|許可後は「営業開始のための最終準備」が必要
運送業許可は、あくまで一般貨物自動車運送事業を行うための許可です。
ただし、許可が出た時点では、まだ実際に営業できる状態とは限りません。
営業開始前には、運転者の雇用、社会保険加入、運行管理者・整備管理者の選任、 車両の事業用登録、保険加入、運輸開始前確認などを済ませる必要があります。
重要ポイント
「許可取得=営業開始」ではありません。
許可後は、営業開始できる状態に整えたうえで、 必要な確認・届出を行う必要があります。
実務では、許可後の手続きを後回しにしてしまい、 営業開始予定日が遅れるケースもあります。
許可通知を受けたら、速やかに次の準備に進むことが重要です。
許可書を受け取ったら最初に確認すること
まずは、許可書や許可に付された条件を確認します。
許可には、営業開始までに満たすべき条件や注意事項が付されていることがあります。
許可後すぐ確認したい内容
- 許可日
- 許可番号
- 許可に付された条件
- 営業所・車庫・車両数の内容
- 運輸開始までの期限
- 運輸開始前確認に必要な書類
一般貨物自動車運送事業では、許可後に運輸開始まで進める必要があります。
近畿運輸局の案内でも、運輸開始は許可から1年以内、運輸開始届は運輸開始から30日以内とされています。
期限を意識してスケジュールを組むことが重要です。
許可後の放置は危険です
許可を取得しても、運輸開始に向けた準備を進めなければ営業開始できません。
車両・人員・保険・届出の準備を早めに進めましょう。
許可後から営業開始までの全体像
許可後の手続きは、順番を間違えるとスムーズに進みません。
大まかな流れは次のとおりです。
許可後手続きの基本ステップ
- 許可書・許可条件を確認する
- 運転者を正式に雇用する
- 社会保険・労働保険関係を整える
- 運行管理者・整備管理者を選任する
- 車両の保険・登録準備を進める
- 運輸開始前確認書類を提出する
- 事業用自動車等連絡書の交付を受ける
- 緑ナンバーを取得する
- 運輸開始届、運賃料金設定届を提出する
運行管理者・整備管理者の記事はこちら
自己資金の計算方法はこちら
運転者の雇用と社会保険関係の準備
許可申請時点では、運転者を「確保予定」として進めているケースもあります。
しかし、運輸開始に向けては、実際に運転者を雇用し、必要な社会保険等の手続きを整える必要があります。
運輸開始前確認では、選任運転者の運転免許証の写しや、 社会保険等に加入した員数が分かる資料の提出が求められる運用があります。
運転者関係で確認したいこと
- 必要な運転者数を確保しているか
- 運転免許証の区分に問題がないか
- 雇用契約書や労働条件通知書を整えているか
- 社会保険・労働保険の手続きが必要か
- 健康診断や適性診断の準備を進めているか
運転者の確保は、許可後に慌てやすい部分です。
許可前から候補者を整理し、許可後に正式雇用へ移れるよう準備しておくとスムーズです。
運行管理者・整備管理者の選任届
運送業許可後は、運行管理者・整備管理者の選任手続きも重要です。
これらは、安全管理体制を整えるために欠かせない管理者です。
全日本トラック協会の資料でも、新規参入時の事前チェックとして、 運輸開始前に運行管理者・整備管理者の選任届を提出することが示されています。
運行管理者
点呼・乗務管理・運転者指導などを担当します。
整備管理者
車両点検・整備管理・整備記録の管理を担当します。
補助者
必要に応じて点呼補助などの体制を整えます。
実態ある体制
名義だけでなく、実際に管理できる体制が必要です。
管理者の選任は、単なる書類手続きではありません。
営業開始後の点呼・日常点検・帳票管理に直結するため、 許可後の早い段階で体制を整える必要があります。
管理者体制について詳しくはこちら
運行管理者・整備管理者の役割を確認する
運輸開始前確認とは
運輸開始前確認とは、許可後に営業開始できる体制が整っているかを確認する手続きです。
車両、人員、保険、管理者、社会保険関係などが、許可条件どおり整っているか確認されます。
運輸開始前確認を行い、必要な確認が済むことで、 緑ナンバー取得に必要な事業用自動車等連絡書の交付へ進むことになります。
確認される主な内容
- 運転者の雇用状況
- 運行管理者・整備管理者の選任状況
- 社会保険等の加入状況
- 事業用車両の内容
- 保険加入状況
不備になりやすい内容
- 運転者が正式に雇用されていない
- 社会保険関係が未整理
- 車両情報が申請内容と異なる
- 管理者選任届が未提出
- 保険内容が不十分
実務上のポイント
運輸開始前確認は、許可後手続きの中でも重要な分岐点です。
ここで不備があると、緑ナンバー取得や営業開始が遅れる可能性があります。
ここまでのまとめ
許可後は、運転者の雇用、社会保険関係、管理者選任、 運輸開始前確認など、営業開始前に必要な準備があります。
後半では、事業用自動車等連絡書、緑ナンバー取得、運輸開始届、 営業開始後に必要な帳票管理や巡回指導対策について詳しく解説します。
事業用自動車等連絡書の交付を受ける
運輸開始前確認が完了すると、 次は緑ナンバー取得へ進みます。
緑ナンバー取得の前提となるのが、 「事業用自動車等連絡書」の交付です。
この書類は、 運輸支局で事業用車両として登録する際に必要になります。
ポイント
許可書だけでは緑ナンバーは取得できません。
運輸開始前確認を終え、 事業用自動車等連絡書の交付を受ける必要があります。
緑ナンバーを取得する
事業用自動車等連絡書が交付されたら、 運輸支局で事業用登録を行います。
緑ナンバー取得の流れ
- 事業用自動車等連絡書を受領
- 自動車検査登録事務所で登録
- 緑ナンバー交付
- 事業用車両として使用開始
この段階で初めて、 車両が営業用トラックとして登録されます。
自家用ナンバーでは営業できません
緑ナンバー取得前に有償運送を行うことはできません。
任意保険・各種保険を最終確認する
営業開始前には、 保険内容の確認も重要です。
許可申請時と営業開始時では、 実際の車両や運転者が異なる場合があります。
営業開始前の保険確認
- 対人保険
- 対物保険
- 車両保険
- 貨物保険
- 運転者範囲
- 使用目的区分
万が一の事故時に備え、 補償内容を十分確認しておくことが重要です。
運輸開始届を提出する
緑ナンバー取得後、 実際に営業を開始したら運輸開始届を提出します。
運輸開始届は、 「実際に事業を開始しました」 という届出です。合わせて、運賃料金設定届も提出する必要があります。
実務ポイント
運輸開始届は、 営業開始後30日以内に提出する必要があります。
提出を忘れると、 運輸局から確認を求められる場合があります。
営業開始後に必ず整備したい帳票類
許可取得後に重要になるのが、 日々の帳票管理です。
点呼記録簿
毎日の点呼記録
運転者台帳
運転者情報管理
運転日報
運行実績管理
整備記録簿
車両整備管理
教育記録
安全教育の実施記録
健康管理資料
健康診断等の管理
許可取得後の行政処分や巡回指導で問題になるケースの多くは、 帳票管理不足が原因です。
帳票管理について詳しくはこちら
巡回指導対策はこちら
Gマーク取得対策はこちら
営業開始後に巡回指導が行われる
営業開始後は、 適正化事業実施機関による巡回指導の対象になります。
巡回指導では、 許可要件を維持しているかだけでなく、 日々の運行管理や安全管理状況も確認されます。
良好な事業所
- 点呼記録が整っている
- 教育記録がある
- 台帳類が更新されている
指摘されやすい事業所
- 点呼漏れ
- 帳票未保存
- 教育未実施
許可取得後の管理体制は、 巡回指導やGマーク取得にも直結します。
許可後に多い失敗例
許可後に放置
運輸開始準備が進まない
緑ナンバー取得遅延
営業開始予定に間に合わない
管理者未選任
運輸開始前確認で停滞
社会保険未整備
書類不備になる
帳票管理不足
巡回指導で指摘
運輸開始届忘れ
後日対応が必要になる
まとめ|許可取得後も営業開始までやることは多い
この記事の結論
運送業許可取得後は、 運輸開始前確認・緑ナンバー取得・運輸開始届まで完了して初めて営業開始できます。
- 許可後すぐ営業はできない
- 運輸開始前確認が重要
- 緑ナンバー取得が必要
- 営業開始後の管理体制も重要
許可取得はゴールではなくスタートです。
許可後手続きを正しく進めることで、 スムーズに運送事業を開始できます。
行政書士へ依頼するメリット
実は、 許可取得後の手続きで悩まれる事業者も少なくありません。
依頼するメリット
- 運輸開始までの流れを整理できる
- 必要書類を漏れなく準備できる
- 運輸開始前確認をスムーズに進められる
無料相談のご案内
- 緑ナンバーはいつ取る?
- 管理者選任届は必要?
- 営業開始まで何日かかる?
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